予防歯科

虫歯になってしまってからでは、元に戻すことは出来ません。
虫歯になってしまった場合も最善の治療を行いますが、虫歯にならないようにするためには日常的なケアと定期的な検診が不可欠です。健康な歯は、健康な体を作ります。
美味しく食事をいただける、しっかり噛むことの出来る力は全身の健康に深く関わりがあります。また、健康な歯を保つことは、見た目の美しさにも関わってきます。
歯の健康とともに、歯ぐきの健康も非常に大切です。
いまや日本人の成人のうち、80%の人が歯周病菌に冒されていると言われています。
歯周病にかかる原因は様々ですが、歯に付着したプラーク(歯垢)に菌が増殖したり、タバコが原因になることもあります。また、ストレスも原因のひとつと考えられています。
つまり、現代において意識せずに歯周病を防ぐことは不可能に近いのです。意識的な前向きなケアを行って初めて歯周病を防いだり、または進行を食い止めることが出来るのです。
健康な歯や歯ぐきを保つために
健康な歯や歯ぐきを保つために、次の二つが重要です。
- 日常的なご自宅でのケア
ご自宅でのケアのためには、良い歯ブラシ選びが不可欠です。
良い歯ブラシと一言に言っても、症状や歯の形状、生活習慣によって基準が違ってきます。当院では、専門知識を持つ衛生士がその人に合う歯ブラシ選びのお手伝いをいたします。種類によっては歯ブラシ、電動歯ブラシのサンプルもありますので、お試しいただくことも可能です。実際に使って、よさを実感してから買うことが出来るのです。 - 病院での定期的な検診
プラーク(歯垢)の除去は歯周病予防・虫歯予防のためにとても大切なことです。
プラークを放置すると非常に硬くなってしまい、日常の歯磨きで取ることはほぼ不可能となります。定期的な歯科医院でのクリーニングが必要です。
また、定期健診を受けることにより、歯磨きのクセがわかります。ご自分ではしっかり磨いているつもりでも、磨き足りない部分、磨きにくい部分があるものです。その部分を知り、意識して磨いていただくことにより、「しっかり磨いていたのに虫歯になってしまった・・・」ということを事前に防ぐ助けとなります。
歯周病になってしまったら
歯周病の治療ステップ
STEP 1 歯周病についてのご説明
- レントゲン写真や絵を見ていただきながら、歯周病という病気の内容について説明します。
- 現在のあなたの病気の進行度合いについて説明します。
STEP 2 ブラッシングの練習
- 具体的なブラッシングのテクニックについて指導します。
- あなたに最適な大きさ、硬さのブラシをお選びします。ブラシの動かし方、当てるポイントについて練習します。
STEP 3 ブラッシングの確認およびクリーニング
- STEP 2 の内容がご自宅で正しく行われているかチェックします。歯周病の状態によって、さらにレべルの高いプラッシングを練習します。
- また、この時期、歯の表面に着色その他がある場合は、ブラッシングの効果をあげるために、お口のクリーニングをすることがあります。
STEP 4 歯石のチェックと簡単な歯石除去
- ご自分で取ることのできない、歯の表面に固くこびり付いた歯石を探します。
- 専用の器具で除去します。治療は痛くありませんからご安心ください。
STEP 5 食事、栄養、生活指導
- 全身的な病気をお持ちの方や、身体の不調を感じておられる方は、それと歯周病の関連についてご説明します。
- 簡単な食事、栄養、生活指導を行ないます。
- 内科での詳しい検査と栄養指導が必要と思われた場合は、内科の先生をご紹介し、連携して治療にあたります。
STEP 6 歯肉の下の歯石のチェックと困難な歯石の除去
- 歯周病の治療もここまで来たらしめたもの、もうひとふんばりです。
- STEP 4 で取りきれなかった歯石を探します。
- 専用の器具で除去します。歯肉の下の歯石を取ることが多いので、治療には麻酔が必要となる場合があります。
- 非常に深いところの歯石を取る場合は、小範囲の手術が必要となる場合があります。
STEP 7 定期検診(リコール)へ
- 大変残念なことですが、慢性的な病気の一つである歯周病には完治するということがありません。定期検診を続けないと、必ずと言っていいくらいに再発します。
- 定期検診の時期が来ましたら、こちらからハガキで連絡いたしますので(リコールシステム)、ご希望の方は受付までお申し出ください。
歯周病克服への道
プラーク(歯垢)が原因で進行する歯周病は、あなたの知らない間にジワリジワリと歯の周囲の骨を溶かし、ついにはすべての歯が抜けてしまう病気です。
この病気を克服するには、次の四つのキーワードが重要となります。
- 知る
歯周病は細菌の引き起こす病気です。これを治すには患者さん自身がその病気についてよく知ることが大切です。 - 見る…
歯周病の元凶であるプラークを歯ブラシで落とすには、まず、どこにプラークがつきやすいかを自分の目で見ることから始まります。 - 取る…
正しいブラッシングによって、歯周ポケット内のプラークを徹底的に取ることが歯周病治療の基本となります。めんどうですが、何度も練習して、そのテク二ックを身につけることが歯周病克服への最短の道なのです。 - 来る
歯周病は1 回の来院で治る病気ではありません。長年の間に進行した慢性的な病気ですから、治療後も長期にわたり定期的に診査、診断を受けることがとても大切です。
以上の四つを十分理解したうえで、私たちといっしよに歯周病菌と戦っていきましよう。
その結果はゆっくりですが、確実にあがっていくはすです。どうか根気よくお通いになってください。